ケースの中に保湿用の小瓶が備えられていたり、または楽器内部をダイレクトに保湿する製品とかが売られています。楽器の湿度管理を丁寧に行うことは、とても重要な事で、それに疑問を持っている方はいないのではないでしょうか?

 ところが、楽器にとって一番重要なことは、「楽器の環境変化を急激に起こさない」ということなのです。しかし、特に、乾燥する側への変化は急激に起きます。

 例えば、楽器をケースの中に長期保存するような場合には、先のような「湿度管理」は重要になります。しかし、通常の使用のように、毎日、または数日に一度くらいの頻度で楽器を弾く場合には、楽器の強制的な保湿は、楽器をケースから取り出して弾き始めた時の急激な乾燥による楽器への悪影響を及ぼしてしまう可能性もあるのです。特に古くて割れの多い楽器の場合には、深刻なトラブルに繋がる可能性があります。

 部分的な湿度管理は、逆に、注意が必要です。販売されている(またはケースに附属の)商品が、全て「意味がある物」とは限らないのです。

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