皆さんの中には、安い楽器と高級楽器は当然の事としても、中級楽器との価格差にもかなりの開きがあることに、不思議に思われている方も多いと思います。
例えばこのエンドピン、安いチェロに付いていたエンドピンなのですが、実際に触るまでは私でさえ、偽物とは気づかなかったくらい、結構見た目はそれっぽくコピーしています。
ところが、実際に触ってみて直ぐに違和感を感じました。やけにガタがあったからです。それに、最初はカーボンエンドピン棒だと思っていたのですが、不思議なくらいグニャグニャしていたからです。
もちろん(この楽器に限らず、多くの楽器はそうなのですが)エンドピンの装着技術がお粗末とか、そういうのは(悲しいかな)珍しくありませんから、今回は偽製品の事だけについての話題です。
さて、実際に修理を初めて、偽製品であることがはっきりと確認できました。おそらく、著作権の事など無視している某国製なのでしょう。よくもまあ、ここまで、見た目だけコピーしたものです。
しかしコピーしたのは見た目だけで、本体はとても柔らかで弱いプラスティック製ですし(オリジナルもプラスティック製なのですが、もっと強い樹脂です)、製作精度が低いので、ガタが酷いのです。さらに、一見カーボン製のエンドピン棒だと思った物は、中空のグラスファイバー製でした。エンドピン先も、通常の鉄製です。
このように、安い楽器に使われている部品のほとんどは、結局はまともな製品と交換しなければならなければならないような品質だったりするのです。
安い物にはそれなりの理由があります。購入するときには、最初からきちんとした良い物(ここが難しいポイントではあるのですが)を購入すべきです。その方が、後々、損をしないからです。
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