先日久しぶりに分数ヴァイオリンの購入の相談を受けました。とても熱心な親御さんと、お子さんもとてもお上手な方で、「多少お金が掛かっても良い物を」という依頼でした。

 ところが、最近まともな「良質分数ヴァイオリン」ってなかなか無いのです。以前ならば様々なグレードの量産分数ヴァイオリンがスズキ社とかカールヘフナー社、そしてそれ以外のメーカーからもあったので、目的に合わせて購入することが出来たのです。

 しかし10数年前くらいから、安物の粗悪品が出回って、結果的にそれが浸透し(お客はとりあえず安い商品に飛びつくので)良質を作っているメーカーが撤退してしまったのです。または、撤退まではしなくても、安物しか作らなくなってしまったのです。

 同じ事は部品にも言えます。某国製の、安物の粗悪コピー製品が、良品を駆逐してしまっているのです。「悪貨は良貨を駆逐する」という表現が当てはまるのかどうかはよく判りませんが、低価格の粗悪品って、破壊力が凄まじいです。良い技術とか良い製品って、積み上げるのは長年の努力が必要なのですが、壊れるのはあっという間なのです。

  これは皆さんが思っている以上に結構深刻な状況です。皆さんも、通販とかで安物に飛びつかないようにしてください。それは結果的に良品、または良質な技術を駆逐してしまい、皆さんに影響してきますから。

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