製作者名とか価格とかではなく、物理的に性能が低い弓、すなわち弓竿の剛性が低い弓を使っている人には、自然とある特徴が出ます。これは演奏の能力(才能)、または技術力とは別の、物理的に当然に自然と起こってしまう因果関係による「物理現象」なのです。

・無意識に指板よりを弾きがち。
・駒寄りを弾くと音がかすれるので、結果的に駒寄りは弾けない。
・ボウイングのスピードが速いので、弓が直ぐに尽きてしまう。結果、弓を何度も返しがち。
・弓を持つ右手の手首が折れがち(ぶら下がりの奏法)。肘は下がりがち。
・弓を指板側に大きく傾ける傾向がある(弓毛の片側が切れやすい)。
・楽器を肩で持ちたがる(楽器の指板の向きが大きく左側に回転して保持している)。
・楽器の裏板の中心線に対して、肩当ての左脚(向かって右側の脚)を上げ気味に、左上がり(裏板を表にした場合には右上がり)で肩当てを傾けて装着する。
・弓が跳ねる。震える。暴れる。
・弓の毛を、弓竿と平行になるほどに、大きく張っている。
・弓先で圧力が抜けてしまっている。
・出る音がソフト(音が遠くまで届きにくい)。高倍音が出ない。
・ダイナミクスが低く、気持ちを込めて弾いている割に、表現力が無い。
・演奏は上手なのに、聴衆を引き込むような「あと一つ」が無い。
・豊かな朗々とした音が原理的に出ないので、「自分は綺麗な(小さな)音を追求しているのだ」と、自分に言い聞かせている。
・弦を取っ替え引っ替え試して、少しでも音が出るようにと試している。
・アタックをかける癖が付いている人が多い。

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