私は、楽器や弓の購入相談者に、「最初は高いと思うけれど、後になったら安いとさえ感じると思いますよ。もとをとれば良いのです」と説明します。
これは我々職人の道具でも全く同じです。最初から良い道具を購入すべきです。職人は道具オタクでなければなりません。もちろん私の弟子には、そのような一貫した指導方針で対応してきました。
良い道具は、自分を導いてくれる、「もう一人の師匠(先生)」なのです。格好つけるためでも、贅沢品でもなく、自分の技術を効率的に高めるための近道のためです。
特に、日本の刃物(ノミ、カンナ、ノコギリ等)と天然砥石は、高くても良い物を早めに購入しておかないと、将来入手するのがより厳しくなってしまうと思います。ここをケチってはいけません。