私は弦楽器の研究や、演奏原理(弓やボウイング)の研究用にと、様々なタイプのハイスピードカメラを揃えてきました。処分したり、買い替えたりしたのもあるので、下記の機材は2018年現在のメインで活用している3機種を紹介します。
ハイスピードカメラと簡単に言っても、目的によって様々な種類があるのです。だから、結果的に複数の機材を揃えなくてはならなくなってしまいます。
- Fastcam BC2 HD
今となっては旧機種ではありますが、60~86400フレーム/秒(フルHD解像度では2000フレーム)の撮影ができる本格的なハイスピードカメラです。欠点は撮影時間が数秒と、短いのです。弦の高速度撮影や、駒の高速度撮影を行うために使っています。
- Chronos 1.4
本格的なハイスピードカメラのコンパクト版です。当然事ながら上のFastcamよりは性能は低いですが、コンパクトなので様々なセッティングの自由度があるのがメリットです。この機種も、長時間の撮影は不可です。
- PMW-F55+AXS-R7
この機種は本来の用途はシネマカメラで、綺麗な映像を撮影するのが目的のカメラです。しかし、4Kで120フレーム/秒、2Kで240フレーム/秒の撮影を連続して撮影することが出来るのです。
このようにお金と手間をかけて撮影して、観察・研究したからといって、特に論文を発表するわけでも無く、また画期的な製品を生み出せるわけでもなのです。ある意味、直接お金には繋がりません。
しかし、それでは「何の意味があるのか?」というと、私は自分の技術的な行動をする上で、必ず現実をモデル化して、その理論を遂行します。すなわち、これらの試行錯誤は、自分自身のモデル化(理論)の検証に大きく役立つのです。自分の考えが合っていた場合には、大きな自信になり、その理論をさらに推し進めることが出来ます。
また逆に、観察によって自分自身のモデル化が間違っている(?)という現実を突きつけられることもあるのです。どちらかというと、こちらの方が重要です。人間は、自分の行動を正当化しがちです。しかし、それでは目が見えていないと同等なのです。自分の考えを否定してくれる「何か」も大切にしなければなりません。それが、私の場合には「観察」なのです。
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