FFTアナライザでヴァイオリンの音響測定をする方法は、大ざっぱに分類すると次の3種類があります。

1. 実際に演奏して、その音をマイクロフォンで測定する方法
2. 駒をタッピングして、タップトーンをマイクロフォンで測定する方法。
3. インパルスハンマーで加振して、ピックアップで測定する方法。

 これら3種類の測定には長所と短所がありますので、どの方法を用いて測定するかはケースバイケースなのですが、課題はそれらの結果の因果関係です。ここが、今の私の課題なのです。

 もちろん、これら3種類の因果関係以上に重要なのは、実際に聴いたり弾いたりしたときに感じた楽器の性能との関連性です。最大の課題は、この部分なのです。ある意味、この部分がヴァイオリンの研究の全ての「解」なのですが、この部分の解に近づくために様々な側面からアプローチ(と言うと格好良いのですが、実際にはもがいていると言うのが正解です)しているのです。

 こういう試行錯誤の中から、判ってきたこともあります。

 それは、「小細工で本質は作れない」という当たり前の結果なのです。それはどういうことか?と言いますと、「本質」とは楽器の持っている根本的なキャラクターです。それは、小細工(調整とか、弦の種類とか)では意外なほど変化しないです。すなわち、本質を変えることは出来ないという結論(まだ結論と言うには早すぎますが)なのです。

 そしてその「本質」とは物理的に何を指しているのかというと、「構造」であり、「製作技術(材質も含め)」と言えます。

関連記事: