ちょっと手の込んだ楽器の調整が終わって、お客様にお渡しするとき、その反応は様々です。

 中には、私の方がビックリしてしまうくらい、驚いたり、喜んでくださる方もいらっしゃいますが、逆の事もあります。

 元々の調整のレベルや楽器の状態があまりにも悪い場合には、私は苦労して、苦労して、調整をようやく積み上げるのです(元々が酷い物は本当に大変なのです)。
 そしてようやくお渡しするとき、私の心の中では「どうだ! 別物になったでしょう! いや~、苦労したんですよ!」という気持ちで自信満々でお渡しするのですが、そういうときに限ってお客様の反応は薄いものです。

 楽器への意識が高い人ほど、ちょっとした変化でも喜んでくれますが、意識の低い人(すなわち、それまでの楽器の状態が酷いのにあまり気づかずに使い続けていた人)は、あまり喜んでくれないのです。

 まあ、しかたないことではあるのですが・・・。

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