よく「現在のヴァイオリンの構造はストラディヴァリが完成させた」と書かれている文章を目にします。しかしそれは嘘です。
その証拠に、ストラディヴァリの前の製作者(ストラディヴァリが手本とした)の楽器の構造も、ストラディヴァリのそれとほとんど同じです。だから、ストラディヴァリが特別に凄い発明をしたわけでも、ヴァイオリンという楽器において画期的な構造変革を行ったわけでもないのです。
多くの方は、後年に書かれたストラディヴァリに関する著書を過大評価して、ストラディヴァリを美化、神格化しすぎています。
それではストラディヴァリが行った功績とは何かというと、「精度の高い楽器を、数多く残した」という事です。「後世におけるヴァイオリンという楽器(製作)の見本を示した」と言っても良いと思います。
関連記事:
- ストラディヴァリって、その音を真似できないって本当なのか?
- ストラディヴァリが「最高」とは言えない証拠
- ストラディヴァリの研究をしてはいけないのです
- なぜ演奏家はストラディヴァリを所有したがるのか?
- ミルシュティン演奏の「バッハ 無伴奏ヴァイオリンのための・・」の楽器の音が良いとは思えない