小さなダイヤモンド砥石を使って(包丁は動かさないで、砥石の方を動かす)、短時間でステンレス包丁を研ぎ、その研ぎ面の様子を顕微鏡で観察してみました。掲載写真にはそれぞれ10分、10分、5分と書きましたが、実際には、25分間も研いでいないです。もっと短時間です。

 このくらいの短時間の研ぎでは、大きな刃こぼれを消すことは出来ません。しかし、切れるようにはなります。こうして観察してみると、ダイヤモンドの研ぎ傷は鋭角で深いのが特徴ですね。たまにはこうした「作業の観察」も重要と、あらためて感じ、ちょうっと反省しているところです(白状しますが、自分の作業感覚と実際の状態にずれがありました)。

補足:研ぎ傷がとても深く(粗く)見えるのは、顕微鏡のライティングを調節して、あえて表面の状態を見えやすくしているからです。

補足2:使っている包丁は、貝印社の「旬」という包丁セットです。使いやすい包丁です。

補足3:研ぎ技術の理想としては、研ぎ傷が刃物に対して直角に入るような「横研ぎ」が理想です。しかし、そのためには高度な技術が必要です(程度の低い技術だと丸っ刃になってしまう)。能書き大好きな人は、「程度の低い横研ぎ」を行って、悦に入っていますが、実はそんな刃は切れません。このような簡易的な縦研ぎ(刃に対して平行な研ぎ傷ができる)でも、理にかなっていればが十分に切れる刃に仕上がります。

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