ちょっと自信家の人になると、自分は楽器の音色が判っていると思っているようです。
しかし私が言い切ります。「音色が判っている人はいない」と。
なぜならば、「音色」に答えは無いのです。
「音色」というのは、個人の価値判断によります。だから、本人が良いと思えば良いし、逆に、その良いと思った根拠もあやふやな物なのです。だからその価値観は、コロッと変わってしまうのです。自分ただ一人にとっての「音色」でさえ、本当に理解できている人はいません(たぶん)。
そして「音色(ねいろ)」の対極にあるのが、「音響」です。
「音色(ねいろ)」には形も、根拠もないのですが、「音響」には形があります。もっと具体的に言えば、「音色」は心の問題。「音響」は物理の問題です。どちらが偉いとか、そういう話しではありません。それらの因果関係です。
とても難しい問題です。さらにそこに、「物」だとか「技術」だとか「価格」だとか「価値観」だとか様々な要因が絡んできます。何が何だか判らない世界になっているのですが、それらの複雑な要因を一時的に取っ払って、単純な要因だけを考えて「仮想実験」をするのです。その好都合なモデルとなるのが「オーディオ(界)」なのです。
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