我々弦楽器の技術者は様々な種類の弦で調整したり、または一般の方とは桁外れの取り扱いの経験数を持っています。

 そんな「プロ」の技術者でも、意外なことに実際に弦の実際の「顔」を見た人、観察した人は少ないのです。

 ずいぶん前になりますが、私が拡大撮影をした弦の巻線の状態だとか、またはE弦の表面の状態だとかの写真をみて、数人の同業者から感謝の言葉をもらったこともあります。

 どういうことかというと、新たな「視覚的情報」とこれまで培ってきた「感覚的な情報」をマッチングさせることで、その応用に発展させることが出来るからです。多分、そういう事だと思います。

 何が言いたいのかというと、「私が苦労して行っていることは、ほんのちょっとだけでも世の中の役に立っているのでは?」という、希望です。願望かもしれません。

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