昨日、ある若いアマチュアのお客様と、オーディオ装置の話になりました。

 私が「最近の若い子は、YouTubeで検索した音楽ばかり聴いているから、音への感覚、楽器への意識が薄ぺっらなんだ」と、話を始めたことがきっかけです。

 その方もオーディオ装置に興味があったので、アンプの話とか、実際に再生される音の事とか、または高性能ウォークマンと本格的なオーディオ装置の音の違いの比較とか、色々行いました。

 このブログを読んでいる殆どの方は、「そりゃあ、お金をかければ良い音はでるでしょう」と、冷ややかな眼で斜め読みしていると思います。

 その通りです。

 お金をかけなければ、「何か」は得られないのです。そのお客様にも、「良いオーディオ装置は高価ですが、一旦購入してしまえば長く使えますよ」と、説明しました。楽器の良い音のイメージだとか理解って、普段に聴いている音で養われるのです。だから、良い音で音楽を聴くというのは、楽器弾きにとってもとても重要な事なのです。

 山頂からの本当の光景は、山に実際に登った人にしか判らないと思います。綺麗な山頂からの写真を見て登ったつもりになっている人がいたら、実際に登った人は「そういう表面的なものじゃないんですよね」と言うのではないでしょうか。これは音楽でも全く同じです。

 楽器も、弓も全く同じです。良い楽器を購入した方は、その後、10年でも30年でも(場合によってはもっと長く)満足しながら使えるのです。これは、、「そりゃあ、お金をかければ良い音は出るでしょう」と思っている方には、絶対に得ることは出来ないのです。
 私の工房にて高価な楽器を(または弓を)購入された方は、皆、「あの時思い切って購入して良かった」と言ってくださります。

 私は、オーディオ装置でも、もちろん楽器や弓でも、結果的に「得する」ものしか勧めません。それが私のプライドであり、また、それをするために(出来るようになるために)自分自身でも日々の努力を行っているのです。

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