今日のニュースで「CDの売上が1億枚を下回った」と言っていました。

 スマートフォンなどで、直接ネット上の音源(有料、無料に関わらず)を聴く若者が増えているからだそうです。

 確かに、その流れは変えることは出来ないでしょう。ただ、大きな弊害もあるのです。

 というのは、そのようなデジタル音楽データは「身軽」なのです。だから、聴く側もどうしても身軽になってしまうのです。例えば、スマホのように簡易的な装置で聴いてしまうのです。そして、それが音楽の本質だと思い込んでしまうのです。

 またそのような聴き方が一般的になると、音楽を作る側も、そのような聴き方へのユーザーに的を絞った音楽を作ります。具体的には、「刺激的」で「リズム(ビート)」を強調したような音楽です。そのような音源は、安っぽい装置でも表現しやすいですし、またアウトドアの騒音の中でも聴きやすいです。

「余韻」とか「響き」とか、「空間表現」とか「位相」、「定位」なんてのは、もう若い音響エンジニアはだれも追求しなくなってしまうのでしょうか? なぜなら、聴く側が求めないのですから。これはクラシック演奏、録音においても全く同じです。

 また、CDやレコードのように、「実在のメディア」と違って、デジタル音源は実際の買い物行動をしません。月契約なのです。だから、CDやレコードのような「1枚への思い入れ」もなくなるのです。

 何か寂しいですね。

 その反動なのか、最近はけっこうアナログレコード再帰ブームなのです。私も。

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