先日お客様から借りている名演奏家達のDVDを見ていたら、「***氏(名演奏家)は音への意識がとても高くて、週に二度も魂柱調整をしていました」みたいなコメントがありました。

 こう言うのを観て、安易に真似をしてしまう楽器マニアがいるのです。特に自分でいじって、悦に入る楽器マニアが一番たちが悪いのです。

 なぜかというと、楽器を傷めてしまうからです。

 魂柱を頻繁に動かしたり、駒を頻繁に交換したり、または弦をしょっちゅう(過度に)交換したりしては、楽器が傷んでしまいます。

 もちろん行っている側は、良いと思って満足の実感を持ってやっているので、それが悪いことなどとは夢にも思っていないことでしょう。それどころか、周りの人に自慢したり、同じ事を勧める人も多いことでしょう。

 重要なのは、「技術的根拠をもった、客観性」です。これがあるかどうかが、「プロとアマとの」または「技術のある、なしの」違いなのです。

 一見、有名演奏家が言っている言葉は信頼できそうなのですが、有名演奏家の言葉が全て正しいとは言い切れないのです。それは、演奏家とは「演奏の専門家」であっても、「楽器の技術的専門家」ではないからです。

 自分勝手な行動しないよう注意してください。信頼のおける(普段行きつけの)楽器店や工房で、ちゃんと相談してください。

 

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