先日「ジネット・ヌヴーのCD」の事について当ブログで少し書いたところ、それを読んだ(と思われる)工房にいらした何人ものお客様から、「私もヌヴーの演奏が好きなんです」と、感想を頂きました。

 どうやら、私が思っていた以上に、ヌヴーのファンは多いようです。

 ただ、先日私がブログでも書きましたように、あのCDの音からは、私には演奏の上手さは理解できても、「音」がどうしても見えてこないのです。

 私にだけ見えていないのか? それとも多くの方が、もともと「音」には興味が無くて、「演奏」を追っているのか? まあ、他人の事はどうでも良いとして、楽器の専門家の私が「音が見えない」では、モヤモヤが増す一方で気持ちが悪いので、ヌヴーの録音盤について調べてみました。

 そうしたら、私が購入したCDのオリジナル音源は、カザルスの無伴奏チェロ組曲と一緒で、「電気録音のSPレコード」だったのです。これで全てが繋がりました。

 カザルスの無伴奏チェロ組曲もそうなのですが、SPレコードを音源とした、後のLPレコードやCDでは、SPレコードの再生能力と、ノイズ処理によって音質が劣化している場合が多いのです。

 殆どの方はそこを知らずに、「カザルス、素晴らしい!」とか、「カザルスって、そこまで凄いとは思えないけど・・」とかの評価をしてしまっているのです。

 ヌヴーの本当の演奏も、答えは原盤のSPレコードにあるはずなのです。

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