今日また、ある演奏家の方と様々なレコードを聴きながらオイストラフの話になりました。
それで結局のところ、「様々な演奏者がいて、演奏の好みとか好き嫌いとかはあるが、総合するとオイストラフが演奏の理想」ということで一致しました。
若い演奏者達も、もちろんオイストラフは知っていることでしょう。しかし、「本当にその音を知っているの?」というと、私がそうだったように、劣化した音を、程度の低い再生装置で聴いて、それが「オイストラフ」だと思い込んでいると思います。
我々世代よりももう少し上の世代の方々は、人によっては「生オイストラフ演奏」を聴いた方もいらして、「それはもう凄かったよ!」という感想は何人かの人から聞いていはいたのです。
しかし我々がオイストラフを知るためには、過去の、それもできるだけオリジナルに近い録音のレコードを、可能な限り高度な再生装置で再生するしかありません。
それによって、オイストラフがよみがえるのです。嘘ではありません。
一番良くないのは、YouTubeとかの映像だとか、音楽だとかを見たり聴いたりして、それで知った気になっている若い人たちなのです。あんなの、何の役にも立たないですよ。
演奏とは技術です。そして技術を修得するために一番大切なのが、理論と先生(模範)なのです。それがオイストラフなのです。
演奏者の「好き嫌い」はまた別の話です。
補足:オイストラフの凄いところは、演奏技術は当然として、人間として真面目なことです。それは当時のソ連という時代背景も大きく影響したのだと思います。
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