私のブログを定期的に読まれている方は、私が「弓の性能」についてしつこいほど書いているのをご存じと思います。

 そのくらい、弓の性能が重要なのです。工房開業以来、もう25年間もずっと主張していることなのですが、「全く理解されていないなあ」と、とても残念に感じています。もちろん私の工房にいらして、弓を購入してくださった方だけは、真に理解してくださっていると思います。

 なぜ残念に感じているのかというと、何も私の工房で弓を買ってくれないからだとか、そういうくだらない理由ではありません。

 一つは、真の意味での弓の性能が低い(悪い)と、理にかなった演奏が絶対に出来ない仕組みだからです。これは物理の話です。すなわち、人生の貴重な時間を無駄に使ってしまうのです。また人によっては、貴重な才能の無駄遣いになってしまう方も多いです。これも勿体ないことです。

 もう一つは、真の意味での弓の性能が低い(悪い)と、変な楽器、良くない楽器を選んでしまうという悪循環があるという理由です。ざわざわ性能の低い(悪い)高価な楽器を購入してしまう(もちろん本人はそのときには大満足して購入します)のって、馬鹿げていませんか?

 補足です。上記の主張は、何も私の工房に「良い弓があります」とか、「良い楽器があります」とかいう宣伝で書いているのではありません(おそらく、この文章をネットで読まれているほとんど方とは、一生会うことも無い縁の人だと思います)。そんなちっぽけな事に、私は自分の貴重な時間を費やしてはいません。

 私が主張しているのは、多くの方が無意識に飲み込まれて信用しきっている「間違った常識」を、勇気を持って破ろうとする努力です。もちろん、常識身を委ねていた方が心地よいのは理解できます。常識とはそういうものだからです。
 しかし、それで良いのですか? 楽器や演奏や音楽って、そんなに薄っぺらいものですか?

 もっとスポーツ界を見習うべきです。

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