先日、日本の技術力不足、人材不足について少し書きました。

 深刻です。ところが、そんな貴重な日本の若者を、単なる使い捨ての労働力としてしかみていない企業があまりにも多いのです。

 本来ならば若者は、その人生の一番重要な時期に、自分の一生の芯となるような技術や能力を学ばなくてはなりません。例えば我々職人の場合には、弟子などの修行によって、高度な技術はもちろん、一生を生き抜くためのそれ以外の勉強(仕入れの能力、会計業務、宣伝をしたりするビジネス的な能力、人間関係の構築等々)も身に付けていくのです。

 一般企業でも同じです。新入社員で会社に入ってから、様々な経験を教えてもらったり積み重ねていって、10年くらい経ってようやく会社の本当の仕事が出来るようになるはずです。

 すなわち、企業や社会には、お金と手間をかけて若者を教育する(育てる)という義務も存在するのです。なぜならば、そうしないと業界は先細りしてしまうからです。ひいては日本の将来の問題であり、それはそのまま自分の問題でもあるわけです。

 ところが現状はどうでしょう? 若者がバイトに明け暮れたり、外資系の四角い大きなリュックを背負って自転車に乗っているのです。これは若者側の問題ではなくて、育てる側の問題なのです。

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