良い音を出すために重要なのは、しっかりした「理論(考え方)」と、それを確実に実行できる「技術」です。
例えば、単体ではちっぽけな「0.1」を10個足し合わせてみます。
0.1 +0.1 +0.1 +0.1 +0.1 +0.1 +0.1 +0.1 +0.1 +0.1 = 1
ちっぽけな0.1でも、ちゃんと積み上げれば、1になるのです。
しかし、考え方が間違っていたり、技術力が未熟だったりすると、次の様になります。
0.1 -0.1 +0.1 +0.1 +0.1 -0.1 -0.1 +0.1 +0.1 -0.1 = 0.2
「-0.1」という間違い、未熟な技術が4つ入ってしまったのです。こうすると、総合では0.6になると思いきや、マイナスの要因がさらに足を引っ張ってしまって、総合で0.2になってしまいます。
この差は大きいのです。
この2式はあくまでも抽象的な例えではあるのですが、実際の調整技術の考え方や、その結果とも合致します。
ちなみにここでいう「理論」とか「技術」というのは、何も魂柱調整とかの技術力だけの事ではなく、「良い弓とは何か」とか「良い楽器の仕入れ能力」とか、説明能力とかも含めた全ての技術力を指しています。
さらに補足するのならば、この「技術力」考え方は、業者の技術力だけの話だけでなく、自分自身の行動にも当てはまります。そのへんの無責任で都合の良いネット情報だけで知ったかぶりして、判ったつもりになっている自分自身の事とも言えるのです。
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