この業界、「感覚(または表現)」というものが異常なくらい美化されています。それが「芸術」だとか、「良い音」だとかと思われているのです。
しかし、それは間違いです。なぜならば、それを言い出したら「何でもあり」になってしまうのです。
例えば我々技術者側の話でも、ナルシストのように感覚的な表現を、美しく並べ立てて程度の低い技術を施工しても多くの方には判りません。逆に、そのような表現の方が一般受けするのです。
もちろん、100人の技術者がいたら、100通りの考え方があると思いますから、先のような技術が間違えともいないと思います。
しかし、私はこう思います。「技術の本質は視覚化できるかどうか?」
すなわち感覚論ではなくて、きちんとした視覚化情報が技術の本質だと思うのです。それでは何を視覚化するのかというと、「理論(科学論文という意味ではありません)」と「寸法」です。
そして実際の技術力とは、その理論の正当性と理解力(そして他人への説明力)、寸法の精度です。
一般工業製品は当然として、現代スポーツの世界でも、極々当たり前の考え方です。
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