私の工房のお客様のある女性演奏家の方が、ご自分の演奏とか、またはご自分主催の発表会の映像製作まで、自分で行ってしまうような行動力のある方なのです。
先日にも、Vegas Proでのマルチカム編集での色合わせの事で質問が来ましたが、とても高度な事を行っていて感心してしまいました。こんなに自分自身で映像製作まで行っていらっしゃる方は、私の周りではプロの演奏家はもちろん、アマチュアのお客様を含めてもほぼいません。
私が知り合った範囲ではありますが、ほとんどの演奏家の方々って、演奏をすることが自分の仕事だと思っています。もちろんそれはその通りなのですが、「それだけで良いのですか?」って言いたいです。
演奏家の仕事は、自分の演奏の価値を高める、自己プロデュース能力も必要だと思います。ある意味、個人事業主(個人音楽事務所)の社長でもあるのです。
例えば、自分の演奏の録音をするのでも、本格的な高音質録音で記録するのか、スマホの音程度でするのかでは、後日の演奏データの価値が違ってくるはずです。映像製作も全く同じです。
そういった意味で、この演奏家の頭の良さと行動力には、私も感心していて、見習いたいと思っているくらいです。
これは我々弦楽器製作者、技術者も全く同じです。技術に対しての自己プロデュース能力が重要なのです。作業机の前に座っているだけで自己満足していてはいけないのです。
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