先日、海外ニュース報道で、「動物愛護の観点から、人工肉を販売している」という内容の事を行っていました。裕福な社会層の人が考えがちの偽善的な動物愛護の考え方なので、私は賛同しかねますが、今後世界の流がそのような方向へ進んでもおかしくはありません。この手の層の方には、本革を使った製品も「悪」みたいです。
そうすると、世界中で家畜を飼育する人が激減します。弦楽器関連業界においても、現在ただでさえ良質な馬毛が減っているのに、今後その傾向は加速する一方だと考えられます。
弓竿材料のフェルナンブコ材や、指板やテールピース部品に使う黒檀材も危機的状況にありますが、馬毛の入手が一番深刻になるかもしれません。
もっとも馬毛は短期消耗品なので、年々進化するであろう人工馬毛でも十分対応可能と考えています。最初の内は使い物にならないかもしれませんが、10年も経てば良い製品が出てくることでしょう。
馬毛のような短期消耗品と、弓竿のようなずっと使い続ける品とでは、ちょっと深刻さが違うとも言えます。
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