小説を読むのが好きな人もいれば、小説を書くのが好きな人もいます。また、有名音楽家の演奏会に行くことが趣味の人がいれば、演奏が趣味の人もいます。

 どちがら優れているとかいうものではなく、それぞれの考え方だとか、それぞれの方向があって、答えを出すこと自体が野暮です。

 弦楽器に関しても、「頭で考えるタイプの人」は音律理論とか、数学的理論で音程を理解しようとします。例えばこの動画でもその違いを説明しています。

 それでは弦楽器における最適な音律は?

 これはとても難しいのです。なぜならば、弦楽器は開放弦が存在するからです。開放弦の響きが実際に演奏する音程に大きく影響するしくみなのです。

 もしも弦楽器が弦1本だけの構造だったら、上記のような音律を弾き分けることが出来るかもしれません。しかし実際には、開放弦の響きを無視した音程は、楽器の響きを阻害してしまうので、現実的に弾かないのです。

 それでは、そもそも、その開放弦の調弦音程は? これ自体も難しいです。数学的に1.5倍(5度)とか割り切って調弦しているわけでもありません。演奏者によって微妙に違うのです。

 このように、弦楽器の音程は複雑で、それが演奏者の音の特長にもなります。

 もっとも、複雑なのは弦楽器に限りません。ピアノの調律もとても複雑みたいで、調律師の技術の差が現れるそうです。

 実際に演奏するって、だから楽しいのです。

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