実際に私のお勧めする弓を購入してくださって、私の「弓の性能の理論」を実感してくださったお客様から、「弓の本を書かないのですか?」って尋ねられり勧められたりした事が何度もあります。

 実は私自身、何度か考えたことがあるのです。

 少し前にも、音楽之友社の編集者の方が、現在継続販売されている「弦楽器の仕組みとメンテナンス」の今後をどうするか? で工房にいらしたのですが、そこで一つの案として「弓の編」のアイディアをちょっとだけ話しました。

 その「弓の編」の内容を目次のように箇条書きしてみて、思いました。

 「こんな内容は、誰からも求められていない」と。もっと厳しい事を言えば、その書籍を買ってその内容を理解できる人はそうはいないと。

 ほとんどの書籍を購入する方って、自分の自己肯定のために購入します。「そんな事はない」って意見も出そうですが、世の中そういうものです。
 多くの書籍購入者が(それどころか出版社/者さえ)求めているのは、結局のところ単純なHow To本なのです。それは長年ホームページやブログを書いていて嫌というほど実感していることです。

 いわゆる、世の中の権威に沿ってない内容は、拒絶されるのです。それが私のブログ内の話でしたら、私だけの問題で済みますが、出版となると色々なところに迷惑がかかるのです。

 色々あるのです。そんなわけで、私が弓に関して書籍化することは今後もと無いでしょう。

 私の考えは、工房でのみ一対一で、誠心誠意お話しします。

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