カントゥーシャ作のヴァイオリンを購入してくださったお客様の依頼(私が強く勧めました)で、現在改造防湿庫を作っています。

 「改造」というのは、楽器を吊る部分の改造です。この部分が私のノウハウであり、この楽器保管防湿庫の性能の核となる部分です。

 多くの方は「防湿」のための防湿庫と思われるかも知れませんが、重要なのは「防湿」性能ではありません。楽器をニスとの接触部分を最小に、空間に浮かして保存しておくことです。

 ポイントは、

・ニスとの接触部分を限りなく少なく。
・ホコリや油汚れ、空気中の煤塵が付かない、密閉クリーン空間を保っていること。
・暗室(紫外線から保護)。
・湿度が高くない(カビ対策)。
・複数の楽器が保管できる(効率性)。

 この改造防湿庫の吊り具を製作するのに、300万円近くもかけて導入したレーザー溶接機と、3Dプリンタが大活躍しています。このような最先端機械を使いこなせるのも、技術力の一つなのです。

 

関連記事: