私が音響可視化カメラの事を初めて知ったのは、音響解析で有名な小野測器社が開発した「音響可視化装置」でした。複数のマイクで集音した音を解析して、その位相差から音を可視化する「装置」です。

 おそらくその小野測器社の装置を利用したと思うのですが、NHKの科学番組でサバンナで動物(像とか)の声を可視化するという番組を放送していたのを覚えています。

 私はその小野測器社の音響可視化装置を知って、「これは使える!」と思って、製品情報を色々と調べて、価格等を知って無残にも砕け散ったのでした。しかし、それでも「音響可視化」というキーワードを忘れたことはありませんでした。

 そんな中つい先日、比較的低価格のFOTRIC TD2という音響可視化カメラというものが存在することを知りました。最近は中華製の低価格サーモカメラも普及しているので、中華製かと思ったらアメリカの会社だとか。

 価格を調べたら、発売最初だけ20万円で売っていたらしいのですが、今は26万円でした。それでも「まともな製品だったら」安いです。問題は「まとも」かどうかです。こればかりは実際に購入して人柱になるしかないのです。

 それで購入して使ってみましたが、製品の性能は素晴らしいです。指向性が凄いのです。ほぼピンポイントで音源を特定できます。

 もっともイマイチの点も多いです。そこで私が使ってみて良い点とイマイチの点を書いてみます。

良いと思ったところ
・価格(26万円): 音響計測機器としてはとても安いです。

・精度: 指向性が素晴らしいです。

 

イマイチの部分
・連続動画撮影時間が短い:TD2には静止画モードと動画モードがあるのですが、動画モードは1分くらいで切れてしまいますので実用になりません。
 ちなみに動画モードで撮影した専用データを解析アプリで開くと、きちんと音声は付加されています。しかし「エクスポート」というメニューを操作しても何もできません。未完成なのかもしれません。

・HDMI出力に音声が乗っていない。
 連続動画を撮影しようと思ったら、HDMI出力を録画するしかありません。しかし、そのHDMI出力の映像に音声が乗っていないので、音声は別録りして、映像に合成しなければなりません。ちなみにHDMI出力は720 60pです。

・解析ソフトの使い勝手がイマイチ: 解析ソフトを使うと色々できるのですが、色々未完成という感じです。それともまともな事を行いたかったら有料版を使えという事なのか?

・三脚固定ネジの位置が微妙: 三脚固定用のネジがトリガーの前に付いていて、三脚を付けることが出来ません。延長ポールを装着する必要があります。

 

 イマイチな点も書きましたが、結論を言えば、この音響可視化カメラ、オモチャではありません。まともな性能です。必要な方には「買い」です。

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