先日、「チェロの音響の可視化」という動画を掲載しました。
この動画を撮影した目的はいくつかあるのですが、その中の一つが「どこから音が発せられているのか」を視覚化する事でした。まあ、数十万円もかけて「視覚化」なんてしなくても、楽器の振動箇所を手を当てて探れば私には判るのですが、それでは一般の方への(科学的)説得力がありません。
この弦楽器関連の業界、とても非科学的というか、あまりにも感覚論だけで物事を把握しようとしている人がとても多いのが特徴です。その中には正しいことを伝える事しなければならない音楽専門マスコミ関係者も含まれます。
例えば、「音はf孔から出る」とか、「チェロのエンドピンで床を鳴らす」とか、「裏板から音が出ている」、「弓で圧力をかけたら、音が死んでしまい飛ばない」等々。それ以外にも、今回の実験とは異なりますが、「弾き始めは楽器が目覚めていない」とか、「馬毛のキューティクルで音が出る」等々、言い出したら切りがありません。
私はこの業界に脚を踏み入れたときから、この業界の非科学的な遅れた風潮に違和感を感じていて、それをどうにか改善しようと努力してきたつもりでした。
しかし残念ながら、現代スポーツ界が進んでいる道とは異なり、あいかわらず昔ながらの感覚論、芸術論ばかりで物事が捉えられています。
話を今回の「チェロの音響の可視化」に戻しますが、例えばオーディオスピーカーにおいて、「主な音はバスレフ穴から出ている」という人はいないのです。主な音はスピーカーユニット(コーン紙)から発せられているいると言うのは、常識中の常識です。
もちろん有る周波数の音はバスレフ穴からも大きく出るでしょう。しかしそれは共鳴現象であって、主となる音ではないのです。
弦楽器も全く同じです。しかし、オーディオ業界では当たり前中の当たり前の事を、この弦楽器業界では当たり前と思われていないのです。その一番の原因は、音楽大学のレベルの低さにあります。体育大学と異なり、あまりにも科学的教育の意識が低すぎるからです。それでは単なるレッスン場です。
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