私の文章の中で時々、「ワンボウにおける表現力」と書くことがあります。こればボウイングの運動のとても重要な要素であって、決して文章だけでの表現では無いのです。

 すなわち、物理的にきちんと理にかなった運動から生まれる表現力なのです。

 まずは「ボウイングとは摩擦力を生むための行動」という事から全てが始まります。そして次に、その摩擦力を生み出す要素は「スピード」と「圧力」の要素があるという話になります。

 その辺りに関して詳しくは、結構前から私のYouTube動画でも説明していますので、まずはそちらをご覧ください。

 このように、ボウイングで摩擦力に変化を与える要素、すなわち表現力を生み出す重要な要素は「スピード」と「圧力」なのです。そしてその組み合わせで(動画の中では、例として3×3=9通りの奏法と説明しています)、音に表現を作っているわけです。

 さて、話を「ワンボウにおける表現力」という事に戻します。

 「ワンボウにおける」とは、すなわちある一定の制限下における運動ともいえるのです。

 「ワンボウ」とは弓のダウンのみ、またはアップのみの制限下での奏法です。この中で、「スピード」の要素はあまり使えません。なぜならば「スピード」で音を出そうとすると、あっという間に弓が尽きてしまうからです。

 だから重要になるのが「圧力」なのです。しかし、何度も言いますが、この「圧力」は弓の性能が低いと物理的に生まれません。すなわち演奏技術の問題ではありません。例え名人が弾いてものなのです。

 だから私がお勧めする弓で弾いた方は、ご自分が出した音(表現力)に驚かれるのです。

 例えば、「pで丁寧な発音で音が出て、直後にヴィブラートをかけながらmpになり、弓中当たりでfにグンと盛り上げて、その盛り上がりを持続したままに返しのボウイングに繋がる。」、等々。

 「圧力」という武器があると、ワンボウという制限下でもたくさんの表現の組み合わせができるのです。

 

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