弦で有名なピラストロー社から超軽量肩当て「PIRASTRO KorfkerRest」が発売になったので、その使い勝手と音色をテストしてみました。
手前から
・PIRASTRO KorfkerRest 32.8g
・MachOne(佐々木改造版) 40.6g
・Kun Super 54.2g
今回テストしたPIRASTRO KorfkerRestの特徴は、その軽さだけでなく、脚部分の構造にあります。一見華奢な細い軽量合金の脚なのですが、専用レンチで楽器の形にガッチリと(強くではないのですが、安定して)固定できるのです。
さて音色のテストです。あくまでも手元にあった楽器でテストしただけなので、今回のテストが全てに当てはまるわけではありません事をご了承ください。
いきなり結論ですが、音色的にイマイチでした。というのは、これはテストの前に既に私の理論・経験的に予測できていた事なのですが、楽器との固定が完璧すぎるのです。ガッチリしすぎているのです。というのは、肩当ては軽量であれば良いというものではありません。楽器の周辺部との「ガタ」または「ズレ」、「若干のたわみ」が重要なポイントとなるのです。
全ての楽器には出やすい音と、詰まる音(出にくい音)が存在します。肩当てと楽器の周辺部が強固に固定されていると、この「詰まる音」の発音特性がさらに鈍くなるのです。良い音と、悪い音との差が激しくなってしまうのです。同じ事はMachOne(佐々木改造版)にも言えて、きつく装着してしまうと同様の現象が出てしまいます。私の工房で調整された方で「肩当ては、外れない範囲で緩く装着してくださいね」と言われた方も多いと思います。それはこういった理由も含まれています。
もちろん、楽器によってはPIRASTRO KorfkerRestが良い結果になる場合にもあるかもしれませんので、今回の結論は「一つのテスト」と思ってください。
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