これまで何度も書いたことですが、元々の作りが下手な楽器は、修理も調整も効きにくいのです。これは所有者に説明しても、なかなか判ってもらえません。それが判るくらいだったら、始めからそんな楽器は購入しませんし・・・。
第一、製作の全ての基本がピントがずれているので、直そうとしても、どこまで遡って修正したら良いのか、決められないのです。それだったら、いっそ、良いものを買い直した方が・・・、と、なってしまいます。
一番たちが悪いのは、そのピントの外れた楽器が、高価で、自信を持って購入した(それも最近)というものです。本人は自慢げに楽器を取り出すのですが、それどころか、全く逆なのです。
本人は高級部品に着けなおしたり、弦を***にしたり、または魂注交換をすれば音が改善すると思っていることがほとんどですが、もっと根深い問題なのです。
マンションで言えば、地盤自体が軟弱だったり、基礎工事が下手くそというようなレベルなのです。自分で、音だけを気に入って購入してしまうと(またはラベルの価値だけを信用して)、こんなことになります。自分の演奏に自信のある人こそ(プロの方とか、上手なアマチュアの方とか)が陥りやすい、よくあるパーターンなのです。
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