多くの”弦楽器マニア”とか、頭でっかちの情報ばかり求めている人たちは、「調整の効果」を勘違いしています。具体的に言えば、「この部品を使ったら、どのような効果が生まれる」とか、「調整」と「その効果」が1:1で対応していると思い込んでいるのです。

 しかし、調整とその効果は、バックグラウンドによって大きく異なってきます。

 例えば、とても丁寧に管理された平地では、小石一つさえも目立ちます。しかし、ごつごつした荒れ地に同じ小石が転がっていても、だれも気づかないはずなのです。同様なことは楽器にも当てはまり、良い楽器でさらに高度な調整を施された楽器においては、微妙な調整や部品の違いさえも、はっきりと音の違いとして出ます(逆に、悪い調整も出ます)。一方、楽器そのもののレベルが低かったり、まともな調整が施されていない楽器においては、前者のような変化は現れないのです。

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