私は時々バイクにも乗る、いわゆる「軟弱ライダー」です。冬は寒いからあまり乗りませんが、それでも時々乗った時には、「そうそう、これこれっ!楽しい~!」って感じます。

 バイクの楽しさって、まさにヴァイオリンと同じなのです。

 バイクって、車とは全く違っています。一言で言ってしまえば、車(スポーツカーとかの特殊な車は除く)って実用的なのです。四輪付いてるので倒れてしまう事はありませんし、アクセルさえ踏めばとりあえず動きます。さらに、雨風とは無縁だし、その上音楽だって聴けます。たくさんの人や荷物だって運ぶ事もできます。実用品としては車は実に素晴らしいです。

 一方バイクって、車輪の間にとりあえずエンジンを付けただけの、原始的な乗り物です。バランスを取らなければ倒れて、まともに走る事も出来ないような、実用乗り物としては劣っている製品です。ギアだって、未だにマニュアルギアが普通で、常に脚でカチャカチャとギアチェンジしているのです。最近の車ではあり得ないような不便さです。

 発進する度に、ギアを上げるタイミングを考えたり、またはエンジンの回転数とクラッチ操作を計算して上手にシフトチェンジしないと、スムーズな加速や減速が出来ません。走りながら、常にこのような「操作」を考えているのです。

これって、ヴァイオリンの移弦やポジションシフトと全く同じ感覚なのです。

 この構造のシンプルさ、操作性の不便さ、そして複雑さこそが魅力の根源なのです。自分の脳が刺激され、それを達成したときに大きな快感を感じる事が出来るのです。

関連記事: