少し前の話題ですが、Facebook上にて学生時代のオケ仲間(アマチュアのオーボエ奏者)がフェルナンブコ製のオーボエの写真をリンクしていました。
そうしたらたまたまその数日後に、テレビの音楽番組のオーケストラの中で一瞬、そのオーボエが映ったのです。楽器の色でピンときました。
ただ、複雑な気持ちです。
何が言いたいのかというと、オーボエとかクラリネットとかに、ただでさえ希少なフェルナンブコを使わないで欲しいということなのです。なぜなら、管楽器は原理的には筐体の材質は音質に対して大きな(決定的な)影響を与えないはずだからなのです。これは私の結論では無くて、以前博士課程でフルートの研究をしていた大先輩(プロ並みにフルートが上手な方でした)から聞いた話や、先のオーボエ吹き(たしか物理の学者さんだったような?)の話しからです。
木管楽器において重要なのは、湿度に対しての安定性とか、内部の加工精度とか、内部の表面の状態とか、割れにくさとか、いわゆる「気柱への影響」と「構造的な安定度」のほうが重要であって、振動特性ではないそうなのです。
ましてフェルナンブコの最大の特徴である剛性においては、そのオーボエは全く活用していないのです(それだったらオレンジ色をした黒檀と同じではないですか)。宝の持ち腐れです。弦楽器関連者の身勝手な感想ではありますが、貴重なフェルナンブコを消費しないで欲しいと切に感じています。
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