今日、あるお子さんのお母さんから、「私の子どもは小柄なので、将来フルサイズでなく、7/8サイズを求めた方が良いでしょうか?」みたいな質問を受けました。

 全く問題ありませんし、必要もありません。

 そんなことを言っていたら、ヴィオラなんて弾けません。小柄なのに、大きなサイズのヴィオラを、軽々と弾きこなしている世界的な女性ヴィオリストだっているくらいです。

 重要なのは、良いフルサイズのヴァイオリンを手に入れる事です。なぜなら、本当に良い楽器(例えばカントゥーシャ作の楽器とか)って、驚くほど弾きやすいのです。大きさを感じさせません。

 作りが悪くて(指板の幅、楽器の厚み、ネックの太さ、ネックの下がり具合、裏板の厚み等々)、重くて、弾きにくくて、発音が鈍くて、さらに楽器の状態が狂っているヴァイオリンは、想像以上に弾くのが辛いのです。こういう楽器を選んではいけません。弾きにくいので、感覚的に大きく感じることでしょう。

 いずれにせよ、7/8サイズを購入するメリットはほとんどありません。もちろん、贅沢な意味で、フルサイズへのサイズアップの直前に、短期間にだけ使用するというのはありかもしません。しかし、本当に良い楽器は、それさえも必要ないと思えるくらい弾きやすいものなのです。

 さらに補足になりますが、本当に良い7/8サイズのヴァイオリンって、絶対数自体が少ないため、ほとんど存在しませんから、そんなレアな楽器をわざわざ探す必要性は無いとないと思います。

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