「ヴィオラは大きなほど良い音がする」と思い込んでいる人がとても多いのです。
ある意味では当たっている部分もありますが、その部分はほんの僅かです。
「良い音のヴィオラ」で一番重要なのは、楽器のサイズではなくて、楽器の製作の質なのです。単に綺麗とか、そういう意味ではなくて、「正しい製作理論の理解の基に、高精度な技術で作られていて、さらに健康状態が良いのか?」ということです。
多くの人は、大きなサイズのヴィオラを探すことに躍起になっています。
ところが私は、女性とか(小柄な男性も)、ある程度の年令になった方(若くない)、またはヴァイオリンとの持ち替えの方には、大きなサイズのヴィオラはお勧めしません。
というのは、中くらいのサイズのヴィオラでも、ヴィオラの質が高ければ、十分に、いやそれどころか大きなサイズのヴィオラ以上に豊かな音が出ると言い切れるからです。
大きなサイズのヴィオラで、さらに重くて、音が出にくく、そして音にムラがあるようなヴィオラを弾いていると、演奏者人生を短くしかねません。身体を壊しかねませんし、また演奏自体が旨く出来ないことでしょう。弾きやすくて、音が良いのが一番です。
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