少し前から「ELPレーザーターンテーブル」の事を書いています。レコード盤を非接触レーザーピックアップで読み取る、世界で唯一のアナログレコードプレーヤー(デジタル処理は一切していません)なのです。
このレーザーターンテーブルの特徴は、とても繊細な再生が可能という事なのですが、もう一つの特徴は、レコード盤に非接触なのでレコードを傷めないという特徴があります。
もっとも、LP盤はそんな簡単に摩耗するほど柔ではありません。しかし、SP盤は材質的にとても傷みやすいので、このレーザーターンテーブルの特徴を最大に生かせるわけです。
しかし私はSP盤を一枚も所有していませんでしたので、これまで再生したこともなかったのです。
今回、クライスラー演奏のSP盤を手に入れたので(1,000円)、さっそく再生してみました。ボソボソという派手なノイズの中に、音量は小さいですが、素晴らしいクライスラーの演奏が残されていました。
後世、音響エンジニアによってさまざまにいじくられたクライスラーの演奏は聴いたことがありますが、何も加工されていない瑞々しい演奏が心地よいです。これこそが本物のクライスラーなのでしょう。
LP盤だけでなく、SP盤も病みつきになりそう。もっとも、「レコード収集家になってしまってはいけない。枚数と感動は反比例して薄れるから」という私の基本的考えは、厳守しなければ・・。
後日追記:
あるヴァイオリン演奏家の方にこのレコードを聴いてもらったところ、「CD版のように音を加工していないから、演奏の細部(ボウイングや指使い)まで音が目に見えるようだ」と感想を述べられました。やはり、オリジナルの録音を、できる限りオリジナルに近い状態で聴くことがベストなのでしょう。
SP録音した物はSPで、LPレコードの時代の録音はLPで、そしてCD時代に録音したものはCDで再生することがベストなのです。どの記録メディアが優れているか?なんて議論は野暮です。
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