ニスが柔らかめの新しい楽器に多いのですが、購入後に使用者が気づかない内に、駒が前の方向へずれてしまっていることが多いのです。
通常、新品の弦は伸びるので、糸巻きを巻き上げて調弦するのですが、弦と一緒に駒も前方向(渦巻き側)へと引きずられてしまうのです。この時に、ニスが柔らかいと、ニス層が地滑りのようにずれてしまって、さらに駒が動いてしまいます。
半年後とか一年後に調整にいらしたときに、「駒位置がずれていますよ」と指摘されて駒を元の位置に戻すと、ずれた位置のニスが無くなってしまって跡がくっきり付いてしまっていることも多いのです。
これは楽器購入後の最初の一年間くらいで特に起きやすいです。
楽器購入初年度は、出来ることならばもう少し短めな感覚で点検に出すのがよいかもしれません。楽器購入して、最初の点検(調整)が一年後というのは、ちょっと厳しいかも知れません。
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