当たり前と言えば当たり前なのですが、オーディオの音に拘っている人は、楽器の音にも意識が高いです。

 昨日は、やはりオーディオの音に拘っているある演奏家の方と、オーディオケーブルの話題になりました。「10万円とかする高級ケーブルにどれほどの意味があるのか?」って話題になりました。

 私も、その演奏家の方も、基本的には同じ考えでした。

 例えばF1レーシングカーを考えてみてください。F35戦闘機でもよいです。おそらく小さなボルト1本でも、チタン製の特注品で1本10万円とかするのだと思います(具体的な金額は知りませんが)。

 今回の話題は、その「高級ボルトの意味がありますか?」という質問に等しいのです。

 その答えは、「F1レーシングカーや、F35戦闘機に用いるのだったら意味があるが、乗用車に用いても意味はない(悪いとは言っていません)」というものです。筋は通っているはずです。

 これはオーディオ装置でも言えます。アンプだとかの基本装置やオーディオルームに徹底的にお金をかけている人が、その延長として「高級ケーブル」を評価するのは有りです。しかし、逃げの口実として、高級ケーブルを使ってやって気になっている人が余りにも多いのです。
 さらにもっと酷いのは、単なる「高級」をアピールしている商品です。価格が高級だからと言って、性能が良いという保障だとか、または根拠がどこにあるでしょうか?

 これは弦楽器でも全く同じです。パーツや弦を取っ替え引っ替え変えても、根本的な部分が悪ければ(すなわち楽器や弓の基本性能)、自己陶酔でしかないのです。本質から逃げているだけです。

 だかわ私はいつも言っているのです。「良い道具を購入する努力」、「良い道具を引き寄せる縁」を作る事こそが重要なのだと。本質から目を背けていても、何も解決できません。

関連記事: