ヴァイオリンの理想的な音の話題になったとき、オイストラフのレコードだとか、コーガンのレコードの音を聴いてもらうと、私の説明と一致して納得していただける事が多いのです。

 ところが、「ヴィオラの理想的な音とは?」という話題になると、話は一気に難しくなります。私の中では、理想のヴィオラの音というのはあるのです。

 しかしそれを具体的に説明してと言われても、レコードやCDの音で例をあげてくれと言われても、なかなか「これだっ!」というのが無いのです。

 もちろん、どのCDやLPのヴィオラ演奏も素晴らしいです。しかし、ヴィオラの「音」となると同意できないものがほとんどです。音が固くて鼻が詰まったような録音がほとんどなのです。響きとか余韻とかがないのです。

 もちろん、いくつかのお勧めCDとかLPもあります。しかし、意外と少ないのです。またそんなお勧めのCDやLPであったとしても、再生オーディオの品質が悪いと、ヴィオラの音が変に聞こえてしまうのです。ほんとうに難しいです。

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