以前から感じていた事ですが、人間の感覚というものはとても繊細です。例えば楽器の調整でも、指板の反りを正しく調整して、駒の高さも調整し、全ポジションにおいて弦を素直に押さえやすくしただけで、発音が良くなって音が良くなったように感じるのです。
これは全ての方が実感する「事実」なのです。決して気のせいではありません。
今回フリクトル3という潤滑剤を用いて、ヴァイオリンのアジャスターの動きを良くしました。これまでにも別の潤滑剤を用いて同様の調整は行ってはいましたが、フリクトル3の動き方は私がこれまで経験したことの無い、スムーズな動き方をするのです。
まだ4本の楽器で試しただけですが、アジャスターがスムーズに動くようになっただけで、楽器の性能が上がったかに感じるくらい、(今のところ)とても具合が良いです。
特にチタン製のアジャスターはどうしても表面加工が悪くなってしまうので、当たりがザラつくのですが、フリクトル3を僅かに塗ると、通常の真鍮ネジの動きにまでにはならないまでも、かなり改善します。
おそらくチェロのアジャスターでも同様の効果を期待できると思います。
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