名演奏家達の古い映像のDVDなどを観ると、彼等のボウイングがとても速く感じられます。

 また自分自身撮影した映像でも、4K60pで高画質撮影した演奏の映像を観ると、以前にDVDやBDで撮影した映像と比べて、僅かにスローに感じるのです。

 これは同じ4K映像(例えばピアニストの鍵盤上の指の動き)でも、4K60p撮影と比べると、4K30p映像の方がパラパラ感が有るだけでなくて動きが速く感じます(60pの方がスローに感じます)。

 名演奏家達の古い映像の場合には、たまに実際に速い速度で記録されてしまっている映像もあるのですが、しかしDVD等では音楽のテンポにシンクロさせて修正されているはずです。だから実際にはボウイングが「速く見えてしまっているだけ」のはずなのです。

 この理由は、私の想像ではありますが、映像中の情報量の多さと、観た人の脳の処理力と理解力の関係で起こる錯覚なのだと思います。

 人間の脳の処理能力は凄くて、短時間の中の様々な情報を無意識に処理できるのです。

 例えば交通事故の瞬間に、「スロー映像の様に・・・」という表現をよく耳にしますがこれも同じ仕組みです。事故の一瞬の時間の情報量を脳が処理して、脳にたくさんの記憶として刻んだために、まるで時間が長くなったように感じるのです。

 すなわち、映像品質が優れていて情報量が多い映像からは、まるでスローモーションで観察しているように、さまざまな情報を感じる事が出来るのです。これは4K30pよりも4K60pの方が優れています。

 また、古い映像(低情報量)の巨匠達の映像を観て、「ボウイングがスラスラと速い」と理解するのは、ちょっと早合点かもしれません。

 いずれにせよ「高画質」はきちんと意味がある映像なのです。

関連記事: