弓を持つ手首が大きく折れ曲がっている奏者が、プロ、アマチュアに限らず多く見受けられます。

 そしてその多くが、「自分の演奏の特徴」と思い込んでいるのです。もっと言えば、「自分が選んで、あえてそうしている奏法」と言うのです。

 しかし、手首が折れ曲がっている奏法は、理にかなっていないです。なぜならば、腕の「圧」を自然に掛けることが出来ないからです。

 それではなぜそんな奏法にたどり着いてしまっているのかというと、弓の性能が低いのと(性能とは価格とかラベルではないのです)、物理的な奏法理論を教わっていないから、自然とそうなってしまうのです。

 多くの方は、自我意識が高いです。自分の考えの基に、自分が行動していると思い込んでいるのです。

 しかし、実際には水の流れが、地形の凹凸によって必然的に流れる道筋が決まるように、演奏の行動も無意識に決定されるのです。

 こういった客観性を他人から教わることが、演奏の上達への一番の早道なのです。自分で考えていても、井の中の蛙でしかないのです。

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