最近の若い人は電話が苦手らしいです。また、飲み会など、他人と会話をするのが苦手という人も増えています。 これはスマホとかネットに依存している事が理由と思われます。インターネットって、基本的には自分主導だからです。自分に優しいのです。

 先日、あるチェロ奏者の方が、「佐々木さんのところに通うようになってから、演奏(弓への圧力の考え方)を変えた」とおっしゃっていました。正確に言えば、「一番最初の先生の教えに戻った」という事らしいです。

 このように自分を変える、または変えようとする努力って、もの凄く勇気のいることです。また、パワーを必要とすることです。

 しかし、成長とか、上達って、そういう事なのです。

 なぜこの方がこのような成長をすることができるのかというと、この方はとても会話を重要視しているからです。熱心に会話をするのがわかるのです。質問したり、私の話に耳を傾けたり。

 この方に限りませんが、出来る人って「聞き上手」であり、また「話させ上手」です。

 演奏とは関係ないように思われるかも知れませんが、これが核心なのです。すなわち、自分でどんなに努力をしても、それは自己陶酔にしかなっていないことがほとんどだからです。

 本質は、自分の価値観の外にあるのです。だから他人に自分の殻を叩いてもらう必要があるのです。そして殻にヒビが入ったら、あとは自分の努力でそれをこじ開けるのです。

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