私はこれまでに「痙攣ヴィブラート(振動ヴィブラート)」等の、違和感のあるヴィブラートについて説明してきました。

 今回サンブルをあげるヴィブラートは、あるヴィオラ演奏のCDの音なのですが、ヴィブラートに違和感を感じました。もちろん演奏事態は素晴らしいので、演奏者自体を批判するつもりは全くありませんので、その点は重々ご理解お願いいたします。

 

 最初は、よくあるタイプの「痙攣ヴィブラート」と思ったのです。しかし、じっくり聞き返してみても「擦れ」を感じないのです。

 そこで波形ソフトで分析したところ、痙攣ヴィブラートでは無い事が確定しました。それ以外のタイプのヴィブラートによる「違和感」だったのです。

 この「違和感」について、私の結論としては次の要因をあげることができます。

1.ヴィブラートを常にかけ過ぎているために、基準となる音が見当たらない。通常の演奏では最初にある音程の音を発音してから、その音程に対してヴィブラートを追加するのですが、この演奏では常にヴィブラートが掛けられているので、音程が見えにくいのです。

2.ヴィブラート操作が激しすぎて、音程の高い方へ大きくヴィブラートが掛かってしまっています。よって、音が上ずっているように感じてしまいます。ちなみに、音程が悪いわけでは無いのです。

3.ヴィブラートが細かすぎるので、まるで「痙攣ヴィブラート」のような違和感を感じます。ただ、今回の例では「擦れ」はありませんので「痙攣ヴィブラート」ではないのです。

 このように、ヴィブラートは冷静にかけなければ、せっかくの素晴らしい演奏の脚を引っ張ってしまう可能性もあるのです。

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