現在、ちょっとした事故によってネックが(正確に書けばネックの付け根のボタン部分が)折れてしまった楽器が持ち込まれ、大きな修理となっています。

 ところが楽器をオープンして判明したことですが、元々の楽器の製作精度とか、その後に行われたいい加減な修理が、今回の破損の大きな要因となっているのです。半分は、起こるべくして起こった破損とも言えるかもしれません。そのようなわけで、修理も手こずっています。

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 この写真は裏板の形を保つための石膏型です。

 

 みなさんも、楽器を購入するときには、きちんとしたところで購入しないと後で面倒なことになりますよ。

 

 こう言うと、自分の演奏技術にプライドがある人はカチンとくると思いますが、あえて書きます。

 「楽器の善し悪しは、皆さんには判りません」

 なぜならば、皆さんが重視している「音の価値観」は、所詮現在の(楽器での)皆さんの音の価値観でしかないし、さらに楽器の作りや健康状態、さらには内部の見えない修理などの専門的な内容など、判るわけがないのです。新作の楽器だって、作られた時点で既に酷い状態のものもたくさん存在します。

 本当の意味での善し悪しは、2~3年使っている内に、ジワジワと「あの時、思い切って買って良かった」と、実感するものなのです。

 それではどうやって良い楽器を購入すべきなのか?それは、なんども私が主張していますように、本当に信頼できる楽器店にて「紹介」してもらうことなのです。そして、購入後には、その楽器店で一貫した修理・調整を続けることです。

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