「日本人の横並び好き」とは、よく耳にする話ですが、事実私もそう感じます。

 例えば、楽器や弓選びでもラベルやブランド、情報・評判(それも私から言わせればインチキの)に踊らされて、肝心の楽器そのものを見ているとはとうてい思えません。本質よりも安心感が欲しいのでしょう。

 学生の就職活動だって基本的には内容よりも「大企業志向」。ファッションだって流行物に皆飛びつき、多くの人がバカみたいに同じ格好をするのが日本の特徴だと言ってもよいでしょう。家電だってそうですし、ビールや食品だってヒット商品が出れば皆が飛びつき、さらに競争相手までが恥ずかしげも無くそのヒット商品を猿まねします。某C国の「猿まね」を悪く言う人がいますが、日本は今でもその「猿まね大先輩」なのです。

 スマートフォンのある有名機種のシェア率が、日本が他国と比べて圧倒的に高いというのも有名な話です。これを「日本の高級機志向」と捉える人もいますが、私は「横並び志向」と感じます。皆と同じ事をしていると、安心できるのでしょう。
 また、流行の店の「行列」もあちこちで目にします。これも、「行列のできる店の品は保障の証」と思っているのか、または「流行品の体験」を共有したいのでしょう。一年後にはこんなに並ばなくても買える(食べる事ができる)と知っていても、それでも並んでいるのです。バカげています。日本中のこの行列している人の無駄な時間を別の所に有効活用できたら、日本の国力ももう少し向上するのではないかと、余計な事をついつい考えてしまいます。もちろん、並ぶ人の自由なのですが。

 皆と同じ事をしている自分自身を嫌だとか、物足りないとか、恥ずかしいとか全く思わないのでしょう。これは日本が島国であり、村社会だったことが起因するのでしょうが、しかし今は「現代社会」です。情報も、物流も地域差も国境線さえもないに等しい時代です。

 情報や評判に踊らされてはいけません。自分自身で見極めて、評価し、そしてその結果に自信をもつ強い心が大切なのです。周りの反応や評価など絶対に気にしてはいけません。

 これは楽器選びでも同じです。評判とか評価とかを気にしてはいけません。なぜならば、そのような情報は必ず誰かが意図的に作り上げているものだからです。普段の自分の地道な行動から築き上げた「縁」からくる、価値観だとか感覚に自信をもってください。

 特に若い人に言いたいです。「周りが皆、右の道に進むのだったら、自信をもって左の道に進め」、と。

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