テレビのスポーツ番組中で、引退したばかりの有名な野球選手がこう言っていました。

「当時の自分に、今の自分の『考え方(頭)』があったらなあ‥」

 これは演奏においても言えるのですが、優秀なプレーヤーが理にかなった考え方の上で、効果的な運動をしているとは限らないのです。若さや持って生まれた運動神経や反射神経などから、他の人よりも優れているだけの事がほとんどなのです。

 上記の元野球選手が悔やんでいるように、若い時期にきちんとした、科学的根拠のある理論を教わらないと、自分自身の本当の能力を発揮できないまま、時間だけが過ぎていくのです。

 若いときには誰しも、自分の本能のままに突き進みたがるものです。しかし、そこできちんとした教育を受けさせなければ、個人の能力が発揮できないのです。

 おそらく、その元野球選手の話から推測すると、現在の野球界にはそのような環境はあまりないようでした。それでは演奏の関連の教育機関ではどうなのか? というと、「スポーツ界とは比べようもないくらい、劣っている」と言い切れます。残念ですが、現実なのです。

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