私の工房には様々な状態の楽器がやって来ます。私の工房は飛び込みの一見のお客様はお断りしておりますので、基本的には常連の方なのですが、それでも楽器の状態は人それぞれ、様々なのです。

 もちろん、楽器そのものの性能差もあるのですが、一番大切なのは、自分の楽器に対して、所有者がどれほど高い意識を持っていて、楽器の事を大切に扱っているかなのです。

 普段から楽器の事を大切に扱っている人の楽器は、直ぐにわかります。楽器が生き生きと輝いているように見えるのです(楽器が喜んでいるように感じます)。もちろん、楽器の新旧とか、ニスの光沢度の話ではありません。

 どのような人が、そのように綺麗に、丁寧に楽器を取り扱っているかと観察してみると、楽器ケース内に入っている「楽器拭き布」が綺麗に洗濯されている人なのです。逆に、楽器の扱いが良くない人の楽器拭き布は、松脂と汚れとでゴワゴワして、触れるのも嫌な状態になっています(それで普段楽器を拭いているのです)。

 大切な楽器を拭く布は、自分の顔の汗を拭いてもいいと思えるくらい、綺麗な状態に保っておいてください。

 毎日洗濯しろとは言いませんが、一週間に一度(せめて半月に一度)は洗濯してみてはいかがでしょうか?

関連記事: