まだ日本が貧しかった高度経済成長の頃、「国土が狭く、資源の無い日本は、物を作って、人を育てる以外に成長はない」という考えを誰しも持っていました。八丈島という田舎の小学生だった私でさえ、そんな教育を当たり前のように受けていました。

 しかし日本という国が徐々に豊かになって、「3K」という言葉が出てきた辺りから、日本はおかしくなってきたと思います。豊かさというものを勘違いしたのだと思います。「お金の量」を豊かさ、または国力と勘違いしてしまったのでしょう。
 例えばコツコツ物を作ったり、地道な人材教育を行ったり、一見役に立たないような地道な基礎研究を行うよりも、「大きなお金(または物)を、右から左へ動かす仕事」がもてはやされてしまったのです。

 しかしバブルが崩壊して、その頼りだった「豊かさ」の皮が剥がれてしまった後も、その変なプライドというか価値観だけは残ってしましました。

 「物を作り、人を育てる」ことこそが重要なのに、勘違いによってその努力が途絶えてしまって、出来なくなってしまったその後にも、「無ければ、外国から安い品や、安い人材を調達すれば良い。金ならまだ残っているのだから」という現実逃避しているのが現状です。

 そんなことを続けていたらどうなるのか、頭の悪い私でさえ想像が付くのに、頭のよい偉い方々が判らないわけないのです。

 現実逃避としか言いようがありません。保身です。

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